置き場

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蛇香のライラ~Allure of MUSK~ 第一夜 ヨーロピアン・ナイト

ヴィンス→ロラン→二重スパイ
※かなりネタバレ含みます
※やや辛口注意




総プレイ時間は7〜8時間、ゆっくりやっても2日あればフルコン出来るぐらいのボリューム。
かなり短いです。攻略対象も2人だけですし、この倍ぐらい話が長ければなと思いました。
ヴィンスとロランを攻略すると二重スパイルートが解禁。

エロ要素に関しては全年齢でギリギリのラインを攻めた感じ。主にロラン√。
テーマは官能、18禁向きな設定・ストーリー・キャスト陣が揃ってる作品ですが意外と普通。個人的にエロ要素よりもサブキャラやモブの台詞が過激だなと思いました。
サブキャラ達が狂気に満ちてる。

主人公のシリーンはカマル一の踊り子であり凄腕の密偵、美貌を駆使して男達から情報を引き出す。
美貌と手練手管+最終兵器のヘナタトゥーでターゲットを誘惑→情報を引き出したら相手を睡眠針で眠らせるというやり方なので、睡眠針が打てない状況だと貞操の危機に陥る。
また、「唇にキスを許してはいけないよ、心を奪われてしまうから」という店主様の教えに忠実なため(シリーンがその時点で攻略対象に惹かれているのもありますが)、唇にキスされそうな状況になると動揺しまくる→冷静さを失い全力で拒絶or流される。
おまけに上記の刷り込み(暗示?)のせいかキスに弱い。
色気で誘惑する仕事より、要人警護とか潜入救出作戦とか武闘派な仕事の方が向いてそうだなと思いました。
シリーンの過去、ラスボス感ある店主様とライザールに関する真相は以下続刊。

シリーンは幼いころ盗賊に村を襲われてアイーシャと共に店主様に助け出された、と思ってるけど、ロランの境遇に同情して覚えのない記憶を呼び起こされる。
シリーンは店主様の言うことには一切疑問を抱かない。でも興奮状態にある若い男の血が必要という話は本当なのか……店主様が病気なのかも疑わしい。薬を作るために血は必要なのかもしれない。でもその薬は本当に店主の病気を治すためのものなのか。
『我が娘』選びにも裏がある。なんとかアムリタもシリーンが送ってきた作戦名には見えなかった。アイーシャ、テオドール、パメラ、BADのロランが読んでいた本の作者も店主様っぽいです。
シリーンは踊り子兼密偵として育てて、アイーシャはただの給仕のままというのも引っかかる。

物語の謎は気になりますが、続きを買うことはないです。
キャラも音楽も素敵だったけど話が短すぎて作品世界に引き込まれなかった。
どのルートも綺麗にまとまってて短時間で攻略可能ですが、なんか猛獣姫みたいな感じが……と思ったら、ライターさんが同じ方だった。花朧や剣が君にも関わっていた方だと。

立ち絵は一部除いて綺麗でしたがスチルは崩れ気味。キービジュやジャケ写のような絵は期待しない方がいいです。


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タイトル画面や


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BGMのサムネイルが一曲ずつ違ったり、そういう部分は好きだなと思いました。
台詞枠やアイキャッチで表示される曼荼羅も綺麗。
あと、主題歌がフルで聞きたいです。



◇ヴィンス・ルーガン
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見た目が!好み!!以上です!!
と言いたいくらい見た目が好きです。鑑賞。前髪をあげた立ち絵が凄くかっこいい。
個別√はreturn of the king。シリーンが殿を守る凄腕の隠密になる。
『剣よ、身を潜めて時を待て』とかサブタイトルがかっこいい。
ライターさんが同じだと後から知りましたが、猛獣姫のリシャルト√となんか似てる。真面目で誠実な性格とかキャラもちょっと似てる。
明らかに長剣握ってる場面で立ち絵では短剣を握ってたり素手だったりで、殿下どうやって戦うんだろうと思いました。
シリーンにとっては一大転機であるキスと行為に及ぶ流れはほぼ事故。

共通の大浴場での攻防戦が萌えました。
苛立ちからシリーンと駆け引きをするヴィンス。
シリーンもヴィンスに対する疑念と思いの間で揺れつつ密偵としての仕事を果たそうとする。ヴィンスのことをただのターゲットとして見ることが出来ない、誠実な人だと思い始めているがゆえに取り繕う余裕もなく唇へのキスを拒絶する。
ヴィンスはシリーンのことを踊り子やテオとの賭けで差し出された戦利品と認識しつつ、自分と同じひとりの人間として扱ってる。ルーガンのお国柄と出自を考えたらヴィンスは本当に人格者だなと思います。


BADはスチルがゴージャス。展開は釈然としない。
シリーンにとってヴィンスは唯一の男だったから絶望と失望をぶつける対象になったとしても、序盤で短剣握ってまでタトゥーに抗ったヴィンスがこのオチはうーん。
ヴィンスしか知らなければ闇堕ちせずに幸せになれたのか、も、GOODの二人とBADの二人が紙一重に見えないから釈然としない。

テオドールは体験版をやった時に裏の顔があるのかなと思ったらそうでした。
二重スパイ√で明かされた話も含めると、王の毒味役だった父とヴィンスの乳母を務めた母の愛情を得られなかった→ヴィンスに対する嫉妬、劣等感という下地があって、そこでパメラに出会って恋に落ちたから一気におかしくなったのか、パメラが『ヴィンスに片思いしている女』だから手に入れたいと思ったのかは分からない。


ヴィンスがクライデルの悲劇と呼ばれる苛烈な処刑を行なったのは、ルーガン侵攻を狙う周辺国への脅し。
だけど真意があろうが残虐な行為は行為。
この一件で国内でも「ヴィンスは残虐な独裁者」というイメージが広まる。便乗してテオドールがさらに噂を広める。ヴィンスのもとの性格もあり、残虐で冷酷な人間だというイメージがさらに一人歩きして他国にも広がっていく。それがクーデターへと繋がっていく。
テオドールはヴィンスの父であり現国王を殺害、ヴィンスも投獄&拷問でクーデターは成功。でもテオドールは最初から王の器じゃない&クーデターの目的が目的だったので、ひたすら国庫を食い物にする暴君と化す。


クライデル帝國はもともとルーガン王国の一部だった。だが当時のルーガン王が女に溺れて骨抜きにされた結果クライデル領が独立、女王を頂点とした帝國を築く。
この一件以降、ルーガンは女から自由を奪い男が絶対の権力者である社会体制へと移行する。女性は発言を許可する腕輪を与えられなければ一切発言出来ない。日常会話もなければ寝所で声もあげない。
反対にクライデルは女が絶対の権力を持ち、男は生まれた時から隔離され幽閉状態で一生を過ごす。クライデルの男に一切の自由はなく権利もない。だが血統を重んじるため……。

このルートではロランとパメラはどうなったんだろう。
店主様がテキトーに嘘をついてるだけならいいんですが、本当にあの兄妹がカマルにいるならやばい。ロランはどう考えてもあれしかない。




◇ロラン・クライデル
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狂気を感じさせるCV立花慎之介かと思いきやちょっと違った。
カウンセリング。シリーンも聖女属性が強い。
その境遇からロランは『愛』の定義が歪んでいる。
自分が愛されるには、愛してもらうには体を使うしかないと思っているのでとにかくシリーンに迫る。シリーンは抵抗するけど共通序盤からロランに同情的だったことも手伝い、抵抗が抵抗になっておらず流される。
全年齢じゃなかったら7割はそういう場面になりそうな展開でした。
諭していい方向に持って行く場面もあるので流されるだけではありませんが、ルート中盤~終盤手前あたりは依頼撤回したらいいじゃないと思いました。

動揺のあまりパメラの決定的な行動を見過ごしたり、シリーンしっかりしろ。
ヴィンスと皇驪と希驪がいなかったらハッピーエンドはない。
王子三人は基本ボンボンでいい人にしか見えない。

人形に恍惚と語りかけるパメラの姿にロランはかつての自分の姿を見たのかなと思いました。
共通√で舌打ちしたのはロランだと思っていたのですがテオにも聞こえてきた。ジャミルの可能性もありそう。


ロランと兄達は生まれた時から城に幽閉されていた。ロランの兄達は姉=女王から可愛がられているロランを妬み、いじめていた。
そんな状況で唯一優しく接してくれたのが妹のパメラだった。というのはロランの願望混じりの記憶で、パメラにとってロランはお気に入りの『着せ替え人形』に過ぎず、パメラは役立たずで弱い兄が嫌いだった。
次第に着せ替えにも飽きてパメラはロランのもとを訪れなくなる。ロランはパメラから向けられる侮蔑と嫌悪の視線を分かっていた。でも『着せ替え人形』であってもロランという人間のを見て、暴力を振るうこともなく、ロランの存在を必要としてくれる人はパメラだけだった。
だからロランはパメラのことが大好きだった。パメラに会いたかった。
そんな心情に侍女達がつけこむ。
パメラをロランが幽閉されている部屋まで連れて来る代わりに、侍女達は頼み事とかなんとか名前をつけてロランに性的虐待を行う。
クライデルは血を重んじるため、女王、つまりロランの姉は兄弟を夫としていた。クライデル王家は近親相姦の一族だった(ヴィンスはクライデル侵攻のおり隠し通路から潜入した城内で女王と夫達の交わりを見た。それもあってクライデルの王族の首を刎ねて根絶やしにした。だが故人の名誉のため、女王が近親相姦を犯していたことは公にしなかった)。
男は人形と同じだけど王家の子種は別。王家の血を継ぐ子供を宿せば貧しい生活から抜け出して権力を手に入れることが出来る。侍女達は野心からロランの子供を宿そうとした。幼いうえに幽閉された部屋以外は何も知らないロランはそんな下劣な打算に気付くはずがなく、侍女達に言われるがまま体を差し出す。侍女達の行為を知った女王は激怒、即処刑しようとするがロランは侍女達をかばう。だが女王は「ロランが女を抱く気など一生起こさないように、本当の目的を言ってやれ」と侍女達に本音を言わせる。こんな子供となんか誰が喜んで寝るか、みたいな本音を赤裸々に語る侍女達にロランはショックを受ける。女王はひとしきり侍女達に語らせたあと、ロランの前で全員を処刑する。それがロランのトラウマになっている。


パメラは幼い頃とある人形を見る。それは隣国の王子、ヴィンスをモデルに作られた人形だった。
人形を見た彼女は一目で魅せられて「この人が自分の運命の相手だ」と思い込む。
彼女はヴィンスとの結婚を望むが、クライデルとルーガンの確執を考えたらあり得ない話。
だから女王はヴィンスとの結婚に反対してパメラを他国に嫁がせることにしたんだと思いますが、パメラは「姉は私が美人で可愛いから嫉妬している。だから野蛮な国の醜い男に嫁がせるつもりなんだわ」と解釈、「だったら邪魔者は殺してしまえばいい」ということでルーガンに内通、隠し通路の場所をルーガン側に教えて城内への侵入を手引きする。
おそらくこの時窓口になってパメラと接触したのがテオ。ヴィンスは物語開始時点でパメラとは一切面識がなかった。内通者がパメラだったことも知らない。たぶんテオが内通者を得て情報を引き出したと思ってる。
ルーガン側は難なく城を制圧、姉の首を刎ねたヴィンスを見てパメラは「やっぱり殿下は私の運命の相手、殿下も私との結婚を望んでいるんだわ」とさらに妄想が激しくなる。
ところがクライデル人とルーガン人の結婚は禁じられているので、このままではヴィンスと結婚出来ないと思ったパメラはルーガン人になろうと画策する。それで伯爵の養女となって名前を変えてヴィンスの前に姿を現わす。

ヒラール宮殿に現れた時、何で希驪経由だったのかは不明。
クライデル滅亡後はおそらくテオの庇護下で生活(監禁か軟禁)していたので、伯爵とのツテもテオ?
でも「王子様との結婚」を望むパメラのために王様になろうとした人間が手を貸すとは思えないし、二重スパイ√を見る限りパメラが自由に動ける状況にあったようには見えないので謎です。




◇二重スパイ√
パメラとテオのバトルが凄かった。
根本から噛み合ってない会話。テオを前にするとパメラすら正常に見える。テオは人としての何かが決定的に欠けた人間、壊れた人間。ヴィンス√の100倍はテオの闇が全開でした。
パメラはこの√以外だとオチが分からない。

三人のスチルはフェチ。堂々と変態なロランとブーツへの強いこだわりを感じるヴィンス。
〆は店主様でto be continued。