置き場

好き勝手に吐き出した感想を置く場所

CharadeManiacs

※かなりネタバレ含みます

LIKE:獲端√、双巳√、音楽

発売直後に書いたシャレマニ感想+α。





VFBも出るしネタバレももういいかと思い、内容について触れた感想になります。
やや辛口かもしれません。



新旧取り合わせたキャスティングに惹かれて買いました。
キャラはどのキャラもよかったです。重要な場面で流れるライアーゲームみたいな曲とピアノ曲が特に好きです。
双巳√と凝部√の終盤の展開はテンション上がりました。

グループ別含めて8章まで共通、攻略対象は多いけどバランスとテンポがいいため長く感じない。
実際ひとつひとつの章のボリュームはそんなにないと思う。だけど短くもない。全体的にちょうどいい。
ただ、個別ルートは物足りないなと思いました。
どのキャラも恋愛の過程は駆け足。
また、真相に踏み込んでいるキャラと踏み込んでいないキャラがいるため、その点でもシナリオに物足りなさを感じました。

フローチャートはプレイ中には確認出来ない仕様。
攻略は簡単だからフローチャートを確認しながらプレイする必要はなかったけど、コンプを目指す時に使いやすい仕様ではない。
個別ルートの選択肢はBADがあるキャラ以外は飾り。EDには影響しない。

とあるキャラは攻略するつもりがない時でも(他キャラ狙いで、そのキャラのイベントをそれまで一度も選択してなくても)かなり親密なやり取りをヒヨリと交わす。
そのキャラには事情があるからヒヨリに親密度MAX状態なのは分かる。
そのキャラ狙いなら、ヒヨリがその時点で一番信頼しているのも「信じたい」と思っているのも彼だから違和感ない。
でも他キャラ狙いだと、そこに至るまでの過程でそんなに仲良くなってないしな〜と思いました。

謎解き要素は色々と散りばめてある。
だけどかなり分かりやすい&1周目クリア時点で目星がつく。たぶんプレイ前から気付く人もいるよなあ。
誰が裏切り者なのか、真実は何か。デスゲームでディストピアな話だけどかなりソフトに描かれてる。
作中でキャラが死ぬという意味でもBADエンドになるという意味でも、いつDEAD ENDになるか分からなくてどきどきするという怖さは感じませんでした。

こういう感想もあるよという話ですが、制作陣が描きたいだろうテーマ、コンセプトには惹かれたし面白かったです。1周目を終わった時は早く次のキャラを攻略したいな、どんな風に結末が描かれるのかなとテンション上がりました。
でも、今まで乙女ゲーにはまらなかった私が乙女ゲーにはまりました!乙女ゲーとは思えない良シナリオ!みたいな感じでもてはやされるのは分からない。
真相以外は全てのハッピーエンドに含みがあったり、制作陣の「これがやりたいんだ!」という情熱を感じる作品だったけど、シナリオ自体はそんなに絶賛されるほど質が高いとは思いませんでした。
個人的な感想ですが、他の乙女ゲーに比べてシナリオがめちゃくちゃ優れている作品だとは思わない。
穴があるシナリオを声優陣の演技と音楽が補っていて、それが全体の完成度を大きく押し上げているんじゃないかなと思いました。

主人公のヒヨリは素直で甘ちゃんや優等生タイプというより、まっすぐな性格だけど『長女でお姉ちゃんで、周囲から見て手がかからないいい子』であろうとしている。
そのことを本人は自覚してないし、たぶん幼い頃からそうやってきたから自然に仮面を被ってるように見えた。
ルートによってはトモセや獲端がかわいそう。
トモセと獲端はヒヨリにとっては耳に痛いことを言うポジション。彼らの言動が刺々しいものであり、場の空気を悪くしがちなのは事実ですが、冷静でまともなことを言ってるのに大体通じない。

「裏切られたくないから人を信じる」のも「信じたいから疑わない」のも「最初から信じなければ裏切りもない」のも結局は自分がどうしたいか・どう受け止めて消化するかという話で、全部同じ。
でも「信じたいから疑わない」は狂信につながりやすい。
GOODを見るとヒヨリが新たな形で受け継いだとも言える。





◇双巳リョウイチ
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救済、信仰、狂信。
リョウイチもヒヨリも突き抜けてる。音楽もピアノ曲もスチルと合ってて最高でした。終盤の告白大会と化してる対決が面白すぎた。
このルートのヒヨリが一番好きです。

スポンサーのひとりで狂信者。スポンサーになったきっかけは、同じく異世界配信のスポンサーだったヒヨリ母に救われたから。
ヒヨリ母の狂信者だった彼が娘に惹かれる構図。
信仰する対象を変えただけではという皮肉は確かにな〜と思いました。
ヒヨリの感情もリョウイチに対する狂信の方が強いし、お互いに狂って執着して、現実には二人だけの世界ではなく他の面々もいて二人のことを見てるけど、狂った者同士が二人だけの世界で盛大に愛を叫ぶ展開が面白かったです。
狂気を感じるスチルの数々にもわくわくしました。手だけのスチルは全身像あると思ってた。




◇獲端ケイト
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トラウマ、取り戻したいもの。
恋愛面は青春。乙女ゲー的には一番萌えた。
ケイトとヒヨリは顔を合わせれば口論になる。本人達は気が合わない・喧嘩してるつもり。でも周りから見たらいちゃついてるようにしか見えない。ツンギレデレ、喧嘩するほど仲がいい。
そんな二人がかわいかったです。ケイトは最初はツンギレを通り越して常に喧嘩腰ですが、徐々に距離が近づいていくところが……最初は雰囲気最悪だった者同士が分かり合っていく過程が好きです。
終盤は双巳√に続き熱い告白大会。

女性嫌いの理由は父親の恋人にキスされそうになったから。
ケイトは前回参加者、罰ゲームで片腕を失っている。だから義手。
今回は腕を取り戻すために志願。同じく前回参加者のソウタとは面識あり。前回帰還時に記憶を改ざんされたためメイのことは覚えていない。




◇明瀬キョウヤ
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ヒーロー、罪悪感。
実はミズキの部下。ミズキと共に潜入捜査のため今回の異世界配信に参加。
両親はスポンサー。重度の信者。娘達=キョウヤの妹を異世界配信の参加者として差し出す。
キョウヤは妹達の死をきっかけに当局の協力者となり、現在は捜査官のひとり。

ヒヨリと同じく仲間を疑うようなことはしたくない、仲間は疑いたくないという考え方。和を大事にするが行動的、正面切ってみんなで意見を出して話し合おうというタイプ。場の雰囲気が悪くなった時も前向きな方向に持って行ったり、何か行動が必要な時は率先して動く。
異世界人とも積極的にコミュニケーションをはかる。
でも内面はかなり不安定。罪悪感が強い。それゆえに必死に正義の味方、正しい存在であろうとしている。
一回崩れたらヒーローとしての顔も崩れる。だから唐突に180度違うことを言い出したり、リョウイチの囁きであっさり崩れたのかなという感じ。

このルートのヒヨリを見て、リョウイチ√でリョウイチがヒヨリは自分に近いと思った理由が分かりました。




◇凝部ソウタ
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仲間、忘れていたもの。
ケイトと同じく前回参加者。ペナルティとして右目を奪われかけるがメイがソウタを庇い、代わりに右目を失う。
その後ソウタは無事に現実世界に帰還するが、記憶を改ざんされているためメイのことは覚えていない。思い出せない何か、異世界配信の世界でやり残したことをやるために志願して参加。
メイの目を取り戻すためにドラマを再演する場面はおおおおとなりました。ソウタの台詞にスチルとピアノが最高に合ってる。松岡さんの演技好きです。
メイは個別ルートやると色々とあれだけど、ソウタ√で描かれるメイの方が私は好きです。なんか人間らしい。ソウタとの会話もなんかこう仲間!!な感じで凄くよかった。




◇茅ヶ裂マモル
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アイデンティティ、板挟み。
大学生、争いを好まない穏やかな性格。
スポンサー(協力者)で異世界人とのハーフ。父親は異世界人=キメラ、母親は過去の参加者。
マモル母が真実正気を保っていたのかははっきりとは分からない。でもマモル父の方はマモル母のことを本当に愛していた。今も家族のことを愛している。
幼い頃、異世界人のようなゼリー状の手を理由にいじめを受ける。現在は視覚認識システムを使って見た目だけ人間の手に見せている。
人間でも異世界人でもない存在、どちらからも爪はじきにされるという疎外感と自己否定。異世界人は異世界配信の参加者に対して友好的だがマモルには石を投げる。
異世界配信の存在を嫌悪しているが、スポンサーの支援がなければ大学にも通えない、普通に生きていくことすら出来ないと自分自身のことを卑下している。

母親については作中の描写だとその時点で既に正気を失っていたんじゃないかなと思いました。
父親の存在が救いだった。
リョウイチはマモルの事情を知っている。キョウヤを引っ掻き回した時とは違って多少の情は感じたけどえげつない。




◇射落ミズキ
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正義、多数を救うために少数の犠牲はやむを得ないのか。
終盤がハードな展開で、他キャラは一応ハッピーエンドだけどミズキは救いのない終わり方になるのかと思ったらそうじゃなかった。無事でよかったです。
性別に関してはどちらでもいい派ですが男性かな~と。スチルはどれも美人で男前。花冠をかぶったスチルはミズキがヒロインと化している。

今回のキャストのなかでは最年長。情報局の局員でキョウヤの上司。
兄も情報局に所属していたがミイラ取りがミイラになりスポンサーに転向、キャストとして出演しDEAD ENDになる。
このルートでは情報局の副局長も異世界配信の信者だということが明らかになる。




◇萬城トモセ
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抑圧。過激な幼馴染。
ネタバレ要素はほぼない。核心から一番遠いルート。終盤は特技を活かした展開、シャレードゲーム。
とある場面での笑い方が高校生とは思えぬもので、でも地の文まさにそれな笑い方だった。思わず何回も聞きました。

共通や他ルートでもヒヨリはトモセには容赦ないな、冷たいなと感じる時があった。でもそれは結局トモセが唯一の幼馴染で、トモセに対して遠慮する必要がないからなんだな〜と。
トモセとヒヨリの行動を見たら、『お姉ちゃん』なヒヨリと演技が得意なトモセは似た者同士なのかなと思いました。




◇陀幸メイ
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自己犠牲。
いい人。自己犠牲の塊。金魚。

・実はヒヨリの元クラスメイトで今回のプロデューサー
・金魚の件をきっかけにヒヨリに片思いしていた
・転校する直前にヒヨリに告白していた
・前回の異世界配信に参加
・前回参加時にソウタを庇って右目を失う
プロデューサーを突き止めて参加者全員の帰還を交渉した結果「おまえが次の配信でPになれ」と言われる→その条件を呑んでメイ以外の参加者は帰還。その時の帰還者がケイトとソウタ。
・メイのプロデューサー就任は特例措置

今回も真相とメイ個別ルート、つまり大半のルートではおそらく帰還不可。他キャラのEDを見てもメイだけ残ることが示唆されている。
メイが何故そこまで自己犠牲心にあふれているのか、その背景がゲーム内では特に言及されていないため何でそうなったの?と思った。
他キャラはそれぞれ背景が描かれている。でもメイはヒヨリとの接点は描かれても行動の根本的な動機、例えばこういう生い立ちだから彼はそういう道を選んで今はここにいる、この展開ではこんな行動を取るよ、という部分が見えない。
聖人のような人だと思うけど、とにかく自己犠牲的でトモセレベルでヒヨリに惚れてるキャラという印象が残った。




◇廃寺タクミ
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無垢、無垢ゆえの悪。
正体はモルペウス計画の際に月面基地で稼働していたAIアステル。特化型だからAGI。実は過去のキャストで、小学生に見えない容姿は過去の配信で姿も名前も奪われてしまったからと当初は偽る。
アステルにとってヒヨリの祖母は母。特別な存在。アステルの倫理プログラムを組んだのはヒヨリ祖母。
だが重大な事故が起きてモルペウス計画は頓挫、プロジェクトメンバーは地球との交信が立たれた研究所内で全滅する。

うろ覚えですが事故が起きた原因は座標を計算するプログラムのミス。アステルに欠陥があった。座標の計算を間違えて衛星から月面基地にミサイルを発射してしまった→死を待つしかない状況に絶望した研究者達はせめて楽に死にたいと考える→ヒヨリの祖母がアステルに自分達の記憶を消すように命じる。娘へのメッセージでことあるごとに「忘れないで、覚えていて」と言っていたヒヨリの祖母が記憶を消すという道を選ぶ。
アステルは倫理プログラムに反することは出来ない。だから研究者達が「殺してくれ」と願っても殺すことは出来ない。だが記憶を消すことは出来る。
「人間は記憶を消すことで幸せになる」という倫理観を学んだアステルは、異世界配信を始めた後もキャストの記憶を消すことを選択する……という経緯だったと思う。

アステル異世界配信を始めた動機は寂しさ、退屈、AIとしての存在意義からアルカディアを創り出そうとした。
最初のスポンサーはひとりだけ脱出ポッドに乗り込んで生き残った研究者。
アステルは研究用に持ち込まれていた動物達を使って荒廃した月面基地でも適応出来る生物を生み出そうと実験を重ねるが失敗、ぐにゃぐにゃしたゼリー状のキメラを生み出す。ヒヨリ達が異世界人と呼んでいる生物はそれ。

直球。主題歌とOPは偶然なのかネタバレなのか。
小学生の演技はちょっと無理があるなと思いました。
でも本性が垣間見える演技やじわじわと真相に迫っていく過程でのなんとも言えない不気味な雰囲気は最高だった。おかのぶーーー!!!!
終盤の分岐とどれを選んでもBADな選択肢は爆笑しました。

ヒヨリの性格は母の影響。環境が育んだもの。
ヒヨリの家族についてはゲーム内でも何度か話題にのぼりますが、両親に関しては具体的にどんな人なのか曖昧なままなんですよね。ヒヨリは母がスポンサーだということを知らなかった。ほとんどのルートでは気付かないまま終わる。




◇真相
日常的に高度なテクノロジーに触れているキャラ達のほぼ全員がその可能性に思い至らず、素直に驚くのが他ルートでも不思議でした。
高度な技術に触れているからこそ信じてしまう。逆に信ぴょう性を抱いて疑念を捨てるというのはあるのかもしれない。でも、いくらよく出来たシステムでもアルカディアに移動した時の状況やバウンサーの存在、寮からスタジオへの瞬間移動とか、真っ先に今いるのは仮想空間で生身は別のところにあるんじゃないかと考えるよなあ。

アステルに関しては罪を犯したからこそ生きて償いを、未来のために希望を信じてやっていこうという意見は善性を信じるという意味でいいなと思いました。
でもヒヨリがその結論を出した過程がなに言ってんだとしか思えず、これBADだろうなと思いつつ選んだらやはりBADになりました。
記憶が欠けたままという点を除けば真相ルートはBADの方がすっきりする結末だった。
第二のモルペウス計画、小さな幸せも引っかかる。

情報局は自分がやった犯罪を自分で裁いているような組織。モルペウスで起きたことも異世界配信についても隠蔽、こんな組織が世界中のデータを管理するディストピア
健康管理という名目があっても、どれだけ便利だよと言われても作中に出て来たようなバングルはつけたくないです。