置き場

好き勝手に吐き出した感想を置く場所

百花百狼~戦国忍法帖~

月下丸→半蔵→蝶治郎→黒雪→五右衛門
※かなりネタバレ含みます

LIKE:半蔵、月下丸、キャラ同士の関係・会話全般


基本的にFD欲しいと思わない派ですが、ED後の話が見たいなと思ったゲームでした。


◇月下丸

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槐と月下丸は主従関係であり幼馴染、京では対等な仲間として力を合わせる。
いきなり有明の月〜、月は落ちて天を離れずと言い出した時はいまいちついていけなかったけど、逃亡を始めてからのシリアスな展開やお互いに意識し始める過程は面白かったです。
でもめちゃく萌えた!という気分にはならなかった。全キャラ攻略した後に月下丸やっぱ好きだなと思ったけどよく分からない。CVも合ってないような合ってるような。
月下丸は本当に槐に対して過保護で鬱陶しい。でも真面目さ実直さ、槐命ゆえに槐が本当に必要としているものを冷静に判断して認められる度量、蝶治郎寄りと見せかけて思考の根本的な部分は五右衛門に近いんじゃないかなという部分が好きです。

相克の儀は発想も人選も悪趣味。ここまでストレートに唾棄すべき存在×2が黒幕なのも珍しい。
花、駒→槿→わざわざ遺体を掘り起こして髪を切る。それぞれの遺髪を花に喩えて、あさがおは次々に咲いて枯れてこそ、新たな花を~という一連の血生臭さが印象に残った。槿は朝顔の方の「あさがお」ではなく「むくげ」の方?
勘道は娘に対してだけではなく配下に対する情も全くない。最年少の霞が特にえぐい展開。
呪言刻みは槐が愛する人と共にあるところを見ると自然と解けるなら、他ルートの時は一体どうなってるんだろう。かがりの術は解けた状態なんだろうけど大元の術も発動してない。
そういやDLCでもさらっと万能な一面を覗かせてたけど身体能力高いですね。



◇半蔵

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かっこいい。とにかくかっこいい。
恋愛面は自覚したら大胆。隠れ里を去る時の家康の台詞と「御意」がかっこいい。最終的に忍びをやめたのはちょっと残念。月下丸EDも徳川忍組入りすればいいのにと思ったけど半蔵EDでもやめるのか〜。
半蔵ルートなら大丈夫だろうと思ったら霞の丸薬がきて、やっぱり来るのそれ……もうそれやめようよと思ったら生き残った。無事でよかった霞。
勘道は単品だと本当に小物だなと思いました。こんな小物に殺される秀吉もなあ。
それと相克の儀に蝶次郎を選んだのはやっぱりそっちかーな感じだった。伊賀が滅亡した真相からしてそういうことか。

半蔵と槐の関係は本当によかったです。基本的に年の差カプは苦手だけどこの二人は予想外にはまりました。逃避行の過程で槐が忍びとしても人間としても成長して、最初は信頼関係が皆無だった半蔵とも徐々に師弟関係のようになり、それ以上の感情が芽生える。秀吉殺害に端を発する状況の中で二人の関係が変化していくのが本当によかった。
なにより半蔵がとにかくかっこいい。
半端ない強キャラ感からの人としての弱さが見えてくる展開も萌えた。家康との主従関係も最高に好きです。
「家康様の忍びを失えない」からという理由で、手負いで劣勢にも関わらず徳川忍組を殺さない。部下の人柄なんぞ知らん、任務に必要な呼吸を築く上で個人的な信頼関係なんぞ必要ないという考え方は、冷徹なようでどんだけ自分にも周囲にも厳しいんだよって感じがかっこいい。
他キャラルートでもかっこよかった。
家康との主従関係も本当にいい。アートワークス見たら半蔵の弱点が主(家康)で、それを踏まえたうえで、共通2章・古寺でのガチギレっぷりを見るとあーー!!おまけに、頭を下げる/兄様をかばうのどちらを選んでも家康が半蔵をたしなめる流れになるのがまた最高。

終盤で絡んでくる月下丸と黒雪は半蔵が思ったようにああ見えて意外と冷静な兄、感情的な弟。そして槐と月下丸の関係がちょっと濃いなと思いました。
半蔵に対して悪い顔を見せた月下丸と、認めざるをえない半蔵の「……」は半蔵に弱みが出来たようであり、この後に続く二人の会話がよかった。
BADは死ななくてもよかったのでは?
BADでもGOODでも、この時の半蔵は主君の真意は別にあると信じきれなかったということなんでしょうか。



◇蝶治郎

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蝶次郎は儚い人という印象が強い。
途中まで五右衛門ルートかこれはという感じでした。五右衛門と月下丸が何気にいいコンビ。
個別ルートでありながら出番が少ないなと思ったら、2対2で相討ちになった辺りから鬱々とした話になった。蝶治郎のがんじがらめな姿が暗い。そしてやはり霞が……あの絶叫はやっぱりきたかーーと思うよりも先になんだこれ。霞は公式的にあれなんですかね、どれだけえぐく描くかがメインのキャラなんですかね。
半蔵も月下丸も五右衛門も出来るから、忍びは全員魚を焼くのが上手いのかと思ったら蝶治郎は意外と不器用だった。普段野営する時はどうやってたんだろう。

槐との関係は、責任感が強い生真面目同士が異常な状況下に置かれたことで常時ネガティブ思考に襲われて、仲間内で殺し合うことに絶望を抱きつつ、個人としての感情・願望をやはり捨てられないという結論に至る感じ。二人とももっとわがままになればいい。自分の願望をそこまで抑え付けなくてもいい。
五右衛門の蝶治郎評「おとなしくて真面目で、長の息子と呼ばれると何も言えない。がんじがらめで決められた道から外れることが出来ない。自分の生き方すら決められない」がまさにその通りだった。
五右衛門が言う通り槐は師匠に似た。もともと蝶治郎と槐は立場が似てる。いとこでもある。槐と蝶次郎は雰囲気も似てる。アートワークスにも書いてあったけど、目元のあたりが儚げで寂しげな雰囲気があるところがよく似てる。

五右衛門、蝶治郎、半蔵の三人は他にはない気安さがある。いつ敵になるか分からない関係だし、蝶治郎の弟子達のように仲良しこよしな幼馴染ではない。単純に友情とは言えない不確かな関係だけど、相手の人間性を疑いなく信じてるところがこの三人のやり取り好きだな〜。幼少時代の半蔵が蝶治郎の面倒を見つつ修行する云々の話ももっと見たかったです。
「おまえの命は、こんなことで使われるためのものではないのに」が本当に悲しい。
月下丸と半蔵は忍びをやめるのかと思ったけど、蝶治郎はやめてよかった。
でも蝶治郎ルートこそ全員生き残って欲しかった。あと勘道が生きてるのが不穏。
終盤で黒雪が「こういう立ち回りも悪くないね」と言ったのもぐっときた。
黒雪も色々あるけど、蝶治郎と同じく本当の意味で囚われない生き方、新しい生き方が出来るといいな。



◇黒雪

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キャラとしては好きだけど個別ルートは若干苛々しました。
大体この手のキャラの周りにはヒロイン以外にも親しい人間や慕ってくれる人間がいる。そういう人達を見てなさすぎる思考&「俺にはお前しかいないんだ」系の言動がワンセットになって強く押し出されると駄目だ。
黒雪と槐の間に芽生えた感情は恋だと思う。でも黒雪の悲惨な環境と黒雪が槐に意図的に植え付けた依存が影響を与えたことも事実で、それを「そんなの恋じゃない、ただの依存だ」と周囲からはっきり言われた上でお互いの気持ちを確かめて両思いな展開は面白かった。
vs半蔵は主君最優先であるという点を逆手に取った奇襲→一瞬で忍組を倒す半蔵→一対一の戦い萌えた。

半蔵と蝶治郎と弟子たち+五右衛門も新鮮でした。
五右衛門と伽羅の会話好きです…伽羅の代わりに猿之介が半蔵に殴られる云々がひどすぎる好き。月下丸が食らったのもみぞおちなんでしょうか。槐も他ルートでみぞおち食らってた気がするんですが伽羅にはみぞおち行かない。
半蔵といえば世間話で好きな手裏剣を聞く〜が本当に最高だった。蝶治郎は半蔵から弟子をどんな風に躾けてんだよと思われてそうだなとか思ったら共通ルートでとっくに言われてた。
途中からは五右衛門も加わり、半蔵の「もう一回牢にぶちこんでやろうか」とか好きですもう好きです。
五右衛門が蝶治郎に「こんな俺でもいいところはあるだろ?ほら、半蔵に教えてやってくれよ」→蝶治郎目を伏せて黙り込む→「何も思いつかないという顔をされると本当に落ち込むんだけど」 とかこの三人の会話たまらない。

そういえば槐様を殺すモードの時の月下丸に影蝕が効かなかったのは何でだろう。
黒雪の術は一撃必殺、相手が引っかかったら確実に効いてるから、いくら術発動中の月下丸でも影を捕らえれたら逃げられるわけがない。でも破られた。というか最初から効いてないようだった。
しかしこの作品の甲賀の里はトップは外道なのに、槐達もその他モブも忍びにしては優しい。実の娘に対しても露骨にあれな男が穏やかに領地経営してるとは思えないけど、あの幼馴染達の中で黒雪だけが闇の部分を押し付けられていた。表向きは案外穏健派なリーダーだったのかな〜。
勘道には恩義があるから逆らえないという意識が里の中に根強くあるとしても、今まで一度も疑念を抱かなかったのか。半蔵ルートで伊賀攻めの真相を誰も知らなかったのは分かったけど、残党狩りについても誰も知らなかったんだっけ?



◇五右衛門

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強い。小判をばらまく場面はこれぞ五右衛門な感じで好きです。
五大老も三成も勘道も出し抜く展開は面白かった。
あと半蔵がここまでしてやられたのが新鮮でした。純粋な技量なら半蔵が最強だけど知略なり毒なりで勝てる。正攻法で正面から戦うよりも頭を使え。
今までどのルートでも徳川主従は完全な味方ではないけど強いし頼れるしかっこいいなという位置だった。でも今回はちょっと家康の言動に冷たく黒い雰囲気もありつつ、味方にはならないポジション。
秀吉殺害の真相が謎のまま終わるのはどうなんだと思った。黒幕が居る限り色々と救われないし、甲賀側の面子に明るい未来が待ってるとは限らないからそこは引っかかる。BADは槐が淀に殺されて夢幻操葬の術。

風魔忍軍は意外とフレンドリー。人質にぺらぺら喋っていいのか。半蔵を「あんな危ない奴」呼ばわりしてる風魔忍軍。
今までの話を総合すると半蔵は風魔は知ってた、五右衛門は知らなかった。蝶治郎は18年間一度も会ってなかった=風魔のことも知らなかった?
猿之介、伽羅、霞がわいわいやってるのを見るとほっとします。蝶治郎が引率の先生状態なことにある意味ほっとする。女性陣の心を瞬時に掴んだ五右衛門にがくがく震える猿之介が面白かった。でも月下丸が霞と一緒にいい笑顔で現れた時は、幻術?これ本当に現実?と少し疑いました。
月下丸と五右衛門は今回もいいコンビだった。風魔の横槍で槐が攫われる→「早く行け!見当がついてるなら俺が足止めを」と半蔵の足止めを買って出た月下丸かっこよかった。
槐と五右衛門と月下丸が八重桜を眺める場面もよかった。

五右衛門は伊賀の生まれじゃない。里に売られた/駒として買われた子供で、8歳か10歳かで過酷な修行に里から逃げ出したと言ってたけど、幼少時代の思い出をこうやって語るのが負の感情を乗り越えた末の今だからこそなのか。
半蔵は実際にはちょっと分からないけど、五右衛門と蝶治郎の会話を見ると、五右衛門から見れば蝶治郎と半蔵は槐と同じように忍びとして正道を行く存在で今もそうなんだろうなと感じました。五右衛門にとって二人は自分と同じ忍びだけど同じじゃない。
里の子供ではなく駒だった五右衛門が『伊賀』に対してどんな感情を抱いて今に至ったのかは分からない。五右衛門と黒雪に似た雰囲気があるのは境遇が似ているからで、囮役に比べたら「暗殺任務なんかいいけど」とさらっと言える五右衛門はどんな人生を歩んできたんだろうなと思いました。
回想録の共通ルートおまけで、家康が半蔵に対して言った「境遇が…いえ、時代が違えばよき友になれたかもしれない」が分かると同時に切なかったです。五右衛門が槐に対して言った「夫婦になろう」と、茂吉も加わって四人で旅してる時の「家族」という台詞も印象に残った。